鳴門市障害者自立支援協議会 視察レポート

ACADEMIA大和高田 鳥取

 2024年9月24日(火曜日)、徳島県の鳴門市地域自立支援協議会のご厚意により、鳴門市での活動を視察させていただきました。

 
 当日は朝8:30に葛城市の福祉総合ステーション(ゆうあいステーション)に集合し、マイクロバスで鳴門市まで移動しました。
 参加者は3市1町の協議会のメンバー11名と、本レポート担当のACADEMIA大和高田3名です。

 
 道の駅「くるくる鳴門」での昼食を挟み、13:00に鳴門市役所を訪問しました。
 きれいな建物で、窓口が利用しやすく整備されているのが印象的でした。


 鳴門市と3市1町による調整会議は、テーブルごとに鳴門市と奈良県のメンバーが同席するように分け、グループワークを交えて進められました。


 まず、「語り部の会」として、障害福祉サービス「サポートきらり」様に通所しておられる当事者の方のプレゼンがありました。

 その方は、支援学校を卒業後、就労移行支援を2年受けた後、現在はB型事業所を利用しています。

 通所にはバスを使っていて、乗り方を母親と何度も練習したそうです。

・バス停の名前を覚えるのが難しいので、番号で覚えるようにした。
・困った時にはスタッフや母親に電話するよう、あらかじめ決めておいた。

 など、自分だけで通所できる工夫を、スタッフと共にしておられました。

 普段の作業は塩わかめの茎抜き作業や弁当の配達などです。
 お金の計算は難しいので教えてもらっているそうです。

 以前は分からないことがあっても聞けずに黙ってしまっていましたが、現在は周囲の理解を受けながら、聞けるように努力しておられます。

 プレゼンを通じて、周囲の支援を十分に受けながらできることを増やしていき、充実した生活をしているのが伝わってきました。
 活き活きと声を出し、発表しておられたのが印象的でした。


 プレゼンの途中と終わってから、テーブルごとにグループワークが行われました。

 テーブルはそれぞれ似た立場の人で固めていたそうで、私(ACADEMIA・鳥取)のいたテーブルには、中学校の支援学級の先生、支援学校の先生といった方々がおられました。
 私が不勉強で知らなかった支援学校での取り組みなど、個人的に勉強になりました。
 中学校の支援学級の先生が、入学当初から就労を含めた卒業後の進路を視野に入れる支援学校に向けて、学業中心の支援学級が備えられることについて悩んでおられ、その場で支援学校の先生に質問されていました。

 そういった、各々の立場や事情を踏まえた対話を聞いていて、このような交流がされる場の意義を感じました。


 「語り部の会」の後は、鳴門市地域自立支援協議会の活動内容の説明がありました。

 そのうち、鳴門市基幹相談支援センターの活動は、3市1町側でも取り組みの準備をしているところで、後ほどの質疑応答でより詳しい話をうかがいました。

 鳴門市の方が強調しておられたのが、市単位の活動ゆえのフットワークの軽さです。
 市の担当者を含めた支援者同士の横の繋がりが強くあり、当事者個人個人の情報共有など支援に生かしているそうです。
 皆さまの当事者への支援の熱を感じる場面が多くありました。
 ただ、そうした横の繋がりは、組織的というより個人同士のものという問題点も述べておられていました。


 その後の質疑応答は、基幹相談支援センターや地域移行支援のことなど、3市1町側から多くの突っ込んだ質問があり、時間ぎりぎりまで有意義なやり取りが為されました。

 鳴門市との交流は今後も続けていく方針で、今度は鳴門市の方々が奈良県まで来られるという話も(冗談ながら)出ていました。


 葛城市に帰り着いたのは19:40と日帰りの強行軍でしたが、十分すぎるほどの収穫のある視察だったと思います。

  鳴門市地域自立支援協議会の方々には、お忙しいところ快く視察に応じていただきありがとうございました。